肛門疾患 Q&A
Q&A(よくある質問と回答)
1)肛門の構造について
直腸から下方に続く部分を通常、肛門と言いますが、正確には奥行きが3~4cm長もある肛門管といいます。
2)肛門の働きについて
肛門にたまった便を規則正しく体外へおくりだす大切な働きをしています。この肛門管には、ふだんまったく意識をしていなくてもガスや便がそとへ漏れないように調節するのが内括約筋です。また、内括約筋に打ち勝って降りてきた便を自分の意志で我慢する外括約筋、直腸や肛門がずれないように保持する直腸肛門挙筋などが付着しており、自律神経や脊髄神経がその筋肉の調整をおこなっています。
3)排便のしくみとは
食事をとって6時間以上たつと小腸で栄養分が吸収されます。その後、食事は流動物状となり大腸に到達します。大腸ではゆっくりと移動して、その間に水分が吸収され適度の固さになり便の状態に近づきます。この段階で、胃に再び食物が入ると大腸が活発に動き出し、便が直腸に送り出されます。すると、直腸の内の圧が高まり直腸の壁にある知覚神経が刺激されて脳に伝わるのが便意です。この状態では先ほど説明した内括約筋が収縮を続けて便が漏れないようになっています。トイレでいきむと腹圧があがり、内括約筋が広がって、自分の意志で動かすことができる外括約筋が緩んで、便が外へ出ます。
以上から規則正しく排便するにはきちっと食事をとることが大切です。
4)排便がうまくいかないと肛門に負担がかかりますか。
朝に排便がないと、たまった便はずっと大腸に残ったままになるので、直腸肛門にある静脈が圧迫され血管が膨れ上がります。これがいわゆる痔核です。さらに、この状態が続くと肛門の粘膜が傷つき切れ痔となることもあります。
5)肛門病のなかで一番おおいものは。
肛門疾患のなかで最も頻度が高いのが痔核です。痔核は発症しても自覚症状の乏しいものから、痔核以外の肛門疾患を痔核と思い込んでいる場合が多く、実際に日本人でこの病気になる確率は不明です。患者さんの自己申告から判断すると4.4~13.3%、医師の診断から推測すると21.6~55%と言われています。性別は男女差がありません。年齢は子供や若い人は少なく45~65歳の中年以降に多いようです。
6)痔核の症状について教えてください。
主な症状は、出血、痛み、痔が肛門外にでる脱肛、かゆみ、粘液の漏れなどです。出血症状は、排便時に見られ鮮明な赤色であることが多いです。痛みは、排便時のみにみられることが多いですが、血栓性外痔核や重症の脱肛では、発症から数日しても痛みは持続することもあります。
7)病院ではどのような診察をしますか。
肛門診察として視診、触診を行い、肛門の奥は肛門鏡という器械で診察します。女性の方でも恥ずかしくないようにスタッフが手助けしてくれます。また、診察時に症状があまりないときは、別室できばってもらってから診察する怒責診断をおこなうこともあります。
8)医師の選択は
かかりつけ医にまず相談して大腸肛門病専門医を紹介してもらいましょう。専門医は日本大腸肛門学会のホームページで閲覧できます。
直腸から下方に続く部分を通常、肛門と言いますが、正確には奥行きが3~4cm長もある肛門管といいます。
2)肛門の働きについて
肛門にたまった便を規則正しく体外へおくりだす大切な働きをしています。この肛門管には、ふだんまったく意識をしていなくてもガスや便がそとへ漏れないように調節するのが内括約筋です。また、内括約筋に打ち勝って降りてきた便を自分の意志で我慢する外括約筋、直腸や肛門がずれないように保持する直腸肛門挙筋などが付着しており、自律神経や脊髄神経がその筋肉の調整をおこなっています。
3)排便のしくみとは
食事をとって6時間以上たつと小腸で栄養分が吸収されます。その後、食事は流動物状となり大腸に到達します。大腸ではゆっくりと移動して、その間に水分が吸収され適度の固さになり便の状態に近づきます。この段階で、胃に再び食物が入ると大腸が活発に動き出し、便が直腸に送り出されます。すると、直腸の内の圧が高まり直腸の壁にある知覚神経が刺激されて脳に伝わるのが便意です。この状態では先ほど説明した内括約筋が収縮を続けて便が漏れないようになっています。トイレでいきむと腹圧があがり、内括約筋が広がって、自分の意志で動かすことができる外括約筋が緩んで、便が外へ出ます。
以上から規則正しく排便するにはきちっと食事をとることが大切です。
4)排便がうまくいかないと肛門に負担がかかりますか。
朝に排便がないと、たまった便はずっと大腸に残ったままになるので、直腸肛門にある静脈が圧迫され血管が膨れ上がります。これがいわゆる痔核です。さらに、この状態が続くと肛門の粘膜が傷つき切れ痔となることもあります。
5)肛門病のなかで一番おおいものは。
肛門疾患のなかで最も頻度が高いのが痔核です。痔核は発症しても自覚症状の乏しいものから、痔核以外の肛門疾患を痔核と思い込んでいる場合が多く、実際に日本人でこの病気になる確率は不明です。患者さんの自己申告から判断すると4.4~13.3%、医師の診断から推測すると21.6~55%と言われています。性別は男女差がありません。年齢は子供や若い人は少なく45~65歳の中年以降に多いようです。
6)痔核の症状について教えてください。
主な症状は、出血、痛み、痔が肛門外にでる脱肛、かゆみ、粘液の漏れなどです。出血症状は、排便時に見られ鮮明な赤色であることが多いです。痛みは、排便時のみにみられることが多いですが、血栓性外痔核や重症の脱肛では、発症から数日しても痛みは持続することもあります。
7)病院ではどのような診察をしますか。
肛門診察として視診、触診を行い、肛門の奥は肛門鏡という器械で診察します。女性の方でも恥ずかしくないようにスタッフが手助けしてくれます。また、診察時に症状があまりないときは、別室できばってもらってから診察する怒責診断をおこなうこともあります。
8)医師の選択は
かかりつけ医にまず相談して大腸肛門病専門医を紹介してもらいましょう。専門医は日本大腸肛門学会のホームページで閲覧できます。
治療法については、医 師と相談の上、選択する ことが大切。大腸肛門病 専門医に相談することを おすすめします。専門医、 指導医は、日本大腸肛門 病学会のホームページで 検索してみてはどうでし ょうか。
Q1)肛門の病気について教えてください。
肛門病には3大疾患があります。頻度的に最も多いのが痔核、次いで裂肛、痔瘻です。
Q2)痔核とはどのような病気でしょうか。
もともと肛門のクッションとして働く血管そうとこれを肛門括約筋に支える肛門粘膜下筋が共に腫れあがった状態を痔核といいます。
Q3)日本人の痔核になる頻度はどうでしょうか。
痔核が発症しても病院を受診しないかたがおられること、痔核以外の肛門病を痔核と思い込んでいる場合があること、診断検査で痔核があっても無症状の場合もあるのでその頻度は明確ではありませんが、一般的には男女とも45~65歳の方に多く、男女差はありません。
Q4)痔核を発症する原因はありますか。
便秘や強いいきみ、排便時時間が長い、重いものを扱う職業や長時間の座位、などが報告されています。
Q5)痔核もいろいろあると聞いたことがありますが、
直腸よりにできる痔核を内痔核、肛門管あるいは肛門のふちにできる外痔核と大きく区別されています。
Q6)痔核の主な症状は
排便時の出血、痛み、肛門外に痔が出てくるいわゆる脱肛、腫れ感、かゆみ、粘液の漏れなど多彩です。特に、出血は鮮明な赤色が多いです。痛みは脱出時にのみ伴うことが多いですが血栓性外持核や脱出した痔が肛門内に戻らなくなる嵌頓痔核は急性期の間は痛みが継続します。
Q7)痔核の診断は
詳細な問診と肛門診察が必要です。特に肛門内にできる内痔核は触診で診断することは専門医でも難しいので肛門鏡検査が必要です。肛門鏡検査は、数センチの細い筒を肛門内にいたくないように入れて行います。時間は数分です。
Q8)大腸内視鏡検査は必要ですか、
大腸内視鏡を使って直腸内反転といった操作で肛門内を詳細に観察することもできます。
さらに、排便時出血の場合は大腸疾患を区別するのにも大変有用です。
Q9)大腸内視鏡検査はたくさんの下剤を服用し大変と聞きますが。
全大腸を内視鏡で検査する場合は、下剤の服用が必要です。しかし、肛門、直腸、S,状結腸など大腸疾患の好発部位のみの観察を目的とする場合は、当日浣腸のみで検査することもできます。
Q10)痔核の日常生活の注意点は。
日常生活では水分と食物繊維を十分取ること、過度の努責を避けることが大切です。
急性期の痛みや、術後の緩和には温浴が有効のこともあります。
Q11)痔核の内科的治療は。
出血、腫れ、痛みがつよい急性期ではステロイド入りの座薬が有効です。しかし、長期に使用するとステロイド性皮膚炎や肛門周囲白癬症の原因となるので注意が必要です。さらに内服も相乗効果があります。
Q12)手術が必要な痔核は
内科的治療で軽快しない場合や繰り返す脱肛は外科的治療が有効で早く確実に治ります。まずはかかりつけ医に相談して専門医を紹介してもらうことが大切です。
肛門病には3大疾患があります。頻度的に最も多いのが痔核、次いで裂肛、痔瘻です。
Q2)痔核とはどのような病気でしょうか。
もともと肛門のクッションとして働く血管そうとこれを肛門括約筋に支える肛門粘膜下筋が共に腫れあがった状態を痔核といいます。
Q3)日本人の痔核になる頻度はどうでしょうか。
痔核が発症しても病院を受診しないかたがおられること、痔核以外の肛門病を痔核と思い込んでいる場合があること、診断検査で痔核があっても無症状の場合もあるのでその頻度は明確ではありませんが、一般的には男女とも45~65歳の方に多く、男女差はありません。
Q4)痔核を発症する原因はありますか。
便秘や強いいきみ、排便時時間が長い、重いものを扱う職業や長時間の座位、などが報告されています。
Q5)痔核もいろいろあると聞いたことがありますが、
直腸よりにできる痔核を内痔核、肛門管あるいは肛門のふちにできる外痔核と大きく区別されています。
Q6)痔核の主な症状は
排便時の出血、痛み、肛門外に痔が出てくるいわゆる脱肛、腫れ感、かゆみ、粘液の漏れなど多彩です。特に、出血は鮮明な赤色が多いです。痛みは脱出時にのみ伴うことが多いですが血栓性外持核や脱出した痔が肛門内に戻らなくなる嵌頓痔核は急性期の間は痛みが継続します。
Q7)痔核の診断は
詳細な問診と肛門診察が必要です。特に肛門内にできる内痔核は触診で診断することは専門医でも難しいので肛門鏡検査が必要です。肛門鏡検査は、数センチの細い筒を肛門内にいたくないように入れて行います。時間は数分です。
Q8)大腸内視鏡検査は必要ですか、
大腸内視鏡を使って直腸内反転といった操作で肛門内を詳細に観察することもできます。
さらに、排便時出血の場合は大腸疾患を区別するのにも大変有用です。
Q9)大腸内視鏡検査はたくさんの下剤を服用し大変と聞きますが。
全大腸を内視鏡で検査する場合は、下剤の服用が必要です。しかし、肛門、直腸、S,状結腸など大腸疾患の好発部位のみの観察を目的とする場合は、当日浣腸のみで検査することもできます。
Q10)痔核の日常生活の注意点は。
日常生活では水分と食物繊維を十分取ること、過度の努責を避けることが大切です。
急性期の痛みや、術後の緩和には温浴が有効のこともあります。
Q11)痔核の内科的治療は。
出血、腫れ、痛みがつよい急性期ではステロイド入りの座薬が有効です。しかし、長期に使用するとステロイド性皮膚炎や肛門周囲白癬症の原因となるので注意が必要です。さらに内服も相乗効果があります。
Q12)手術が必要な痔核は
内科的治療で軽快しない場合や繰り返す脱肛は外科的治療が有効で早く確実に治ります。まずはかかりつけ医に相談して専門医を紹介してもらうことが大切です。
痔(じ)核の手 術の中で、最も標準的な 手技が「結 紮(けっさつ)切除術」です。肛門疾患の約 60 %が痔 核と言われ、 出血、脱出、痛み等の症状があります。治療としては、まず、 内服薬や座薬などの保存 的治療を行い、改 善しないときに硬化療法 (痔への局所注射)や結紮 切除術を選択します。
最近では、入院が難しい方向けに、硬化療法が増加していますが、約 12 %の方が再 発します。専門医による 結紮切除術については、 ほぼ再発が認められません。
結紮切除術によると再発しな いのは、痔核に流入する血管を肛門の奥で結紮して血流を遮断し、痔とともにたるんだ病的な支持組織を切除して、残存する正常組織 をもとの位置に固定する術式であるためです。こ の手術も、極論をいえば 日帰り手術でも可能で すが、術後処置や排便後 の出血を考慮すれば、無理をしないことが大切です。痛みに関しては、鎮痛剤などを工夫すれば、コントロールできるでし ょう。
最近では、入院が難しい方向けに、硬化療法が増加していますが、約 12 %の方が再 発します。専門医による 結紮切除術については、 ほぼ再発が認められません。
結紮切除術によると再発しな いのは、痔核に流入する血管を肛門の奥で結紮して血流を遮断し、痔とともにたるんだ病的な支持組織を切除して、残存する正常組織 をもとの位置に固定する術式であるためです。こ の手術も、極論をいえば 日帰り手術でも可能で すが、術後処置や排便後 の出血を考慮すれば、無理をしないことが大切です。痛みに関しては、鎮痛剤などを工夫すれば、コントロールできるでし ょう。
切らない痔核の外科手術について。 痔核は、肛門内にある静脈そうといわれる血管 が、下痢や便秘が原因で腫れ上がる病気です。外科的治療を要するのは、脱肛といって痔核が肛門外に脱出する場合です。特に、指で押し戻す必要のある場合や、出っぱなしの場合では、内科的治療はほぼ無効で外科的治療が必要です。
切らずに治す外科治療とは、この痔核のうち、特に肛門の奥にある内痔核が主病巣になっている場合に適応となります。
麻酔をした上で痔を固めて縮小させる特別な薬(硬化剤)を肛門から奥に外科的技術を駆使して注射することにより、治療することができます。所要時間は 10分程度で術後の痛みはほぼなく、切除する傷もないので、日帰りで手術が可能です。
切らずに治す外科治療とは、この痔核のうち、特に肛門の奥にある内痔核が主病巣になっている場合に適応となります。
麻酔をした上で痔を固めて縮小させる特別な薬(硬化剤)を肛門から奥に外科的技術を駆使して注射することにより、治療することができます。所要時間は 10分程度で術後の痛みはほぼなく、切除する傷もないので、日帰りで手術が可能です。
肛門疾患は、すべて痔 (じ)と思われがちです が、正確には「痔核」「裂 肛」「痔ろう」と、大きく3疾患あり、肛門疾患の 約 85 %を占めています。
排便時に痛みがあるときは、その3疾患の中でも「裂肛」を念頭に入れます。この病気は2対3で女性に多く、男女とも20 ~ 30 歳代が多いといわ れています。
若年者に多いのは、肛門をしめる筋肉の働きが強く、肛門上皮の形成が未発達なことが多いからです。逆に 65 歳以上の年齢層では、他の病気を疑う必要があります。
裂肛は肛門の後ろ中央が切れやすく、慢性化すると肛門に潰瘍やポリープを伴います。急性期では痛みが軽く、持続時間も短いですが、慢性化すると、排便時だけなく、 常時痛みを訴えるようになり、手術が必要となります。また、大腸疾患を伴うこともあるので、大腸内視鏡検査を勧めることもあります。
大腸内視鏡検査は、下 剤を服用せずにかん腸だけで、病気の多い直腸やS状結腸を観察する方法もあります。診察当日は食事をしても大丈夫です。まずは、大腸肛門病専門医の診察を受けましょう。
痔は良性の病気なので一般的には命に別状はありません。しかし、放置すれば悪化する危険性はあり自然治癒しなくなります。特に、肛門の周囲が膿んでくる「痔ろう」は長年放置するとまれに癌化することがあります。さらに、糖尿病などが基礎疾患にあると重症の感染症へ移行することもあります。裂肛や痔核では排便ごとに激しい痛みや出血に悩まされることもあります。
また、最も注意しなければならないのは大腸がんです。大腸がんは近年高蛋白、高脂肪食など食生活の変化によって欧米だけでなく日本でも増加しています。
1)排便後にトイレットペイパーに血がつく。
2)残便感などの排便障害がある。
3)下腹部に痛みや違和感がある。
などの症状がある場合は痔と自己診断するのではなく大腸肛門病専門医に相談して大腸内視鏡検査を受けてください。大腸癌は早期に発見できれば手術で治る確率が高い病気です。くれぐれも手遅れにならないように注意しましょう。
排便時に出血すれば、たいていの方はドキリとして心配になると思います。病気として多いのは1)肛門疾患
2)大腸腫瘍
3)炎症性の消化器疾患です。
肛門疾患は、比較的多量に出血するいわゆるイボ痔では、肛門周囲の静脈がうっ血して、これが一時的に破綻することで起こります。若い女性にも多い切れ痔は、排便時に強い痛みを感じますが出血は比較的少ないことが特徴です。膿み混じりの出血は、肛門周囲膿瘍や痔ろうがあります。細菌感染のため早急に外科的治療を要する病気です。大腸腫瘍は、良性のポリープもありますが大腸がんをまず疑います。この50年で大腸がんの死亡者数は10倍以上になり、平成18年度に女性の癌死亡の1位となっています。炎症性の消化器疾患は、常時便通異常がない場合は、大腸憩室炎や虚血性大腸炎などの大腸粘膜の炎症などを考えます。それぞれの治療方針は病気の種類と程度により決定されます。これらの疾患を包括的に診察おとび治療処置可能なのは一般、消化器外科と思われます。和歌山県では、外科として標榜していることが多く、外科は手術や外傷を診察するものと思われがちですが、実際は消化器病や消化器内視鏡専門医を取得している医師が多いのが特徴です。担当する医師が、これらの専門医かあるいは大腸肛門病専門医かを確認することも大切なことの1つと思われます。
肛門の周囲に膿みがたまる病気は、肛門周囲膿瘍(のうよう)や、既に排膿している痔ろうがあります。いずれも肛門の奥にある粘液腺が感染源となる病気で、外科的治療が必要です。
原因としては肛門粘液腺の局所的な免疫異常で発症すると言われていますが、まれに炎症性腸疾患(クローン病)を合併したり、腸の病気が発症する前に肛門病変が先行している場合が3割前後あります。
クローン病は、原因不明の疾患で若年者に多く、小腸や大腸などに潰瘍ができるため全身性疾患としての対応が必要です。臨床症状は病変の部位や範囲によりますが下痢や腹痛などの消化器症状、発熱、体重減少などの栄養障害、貧血を認めます。
肛門病変は、上記以外に肛門から直腸にかけて深く切れる切れ痔、肛門周囲の皮が非常に腫れ上がる浮腫状皮垂、肛門の出口が細くなる肛門狭窄があります。まず、大腸内視鏡検査などで炎症性腸疾患の確定診断をつけたうえで、内服、食事療法を十分に行い、肛門の治療となります。
ただし、肛門が腫れ上がり高熱、痛み、膿が出る時は緊急手術を必要とすることもあるので大腸肛門病専門医にご相談下さい。
Q)肛門に膿みがたまり腸の病気が原因と言われました。
A)肛門の周囲に膿みがたまる病気は、肛門周囲膿瘍やすでに排膿している痔ろうがあります。いずれも肛門の奥にある粘液腺が感染源となる病気で外科的治療が必要です。原因としては肛門粘液腺の局所的な免疫異常で発症すると言われていますが、まれに炎症性腸疾患(クローン病)に合併したり、30%の割合で腸の病気が発症する前に肛門病変が先行することがあります。クローン病は、原因不明の疾患で若年者に多く、小腸や大腸などに潰瘍ができるため全身性疾患としての対応が必要です。臨床症状は病変の部位や範囲によりますが下痢や腹痛などの消化器症状、発熱、体重減少などの栄養障害、貧血を認めます。肛門病変は、上記以外に肛門から直腸にかけて深く切れる切れ痔、肛門周囲の皮が非常に腫れ上がる浮腫状皮垂、肛門の出口が細くなる肛門狭窄があります。まず、大腸内視鏡検査などで炎症性腸疾患の確定診断をつけたうえで、内服、食事療法を十分に行い、肛門の治療となります。ただし、肛門が腫れ上がり高熱、痛み、膿が出る時は緊急手術を必要とすることもあるので大腸肛門病専門医にご相談下さい。
A)肛門の周囲に膿みがたまる病気は、肛門周囲膿瘍やすでに排膿している痔ろうがあります。いずれも肛門の奥にある粘液腺が感染源となる病気で外科的治療が必要です。原因としては肛門粘液腺の局所的な免疫異常で発症すると言われていますが、まれに炎症性腸疾患(クローン病)に合併したり、30%の割合で腸の病気が発症する前に肛門病変が先行することがあります。クローン病は、原因不明の疾患で若年者に多く、小腸や大腸などに潰瘍ができるため全身性疾患としての対応が必要です。臨床症状は病変の部位や範囲によりますが下痢や腹痛などの消化器症状、発熱、体重減少などの栄養障害、貧血を認めます。肛門病変は、上記以外に肛門から直腸にかけて深く切れる切れ痔、肛門周囲の皮が非常に腫れ上がる浮腫状皮垂、肛門の出口が細くなる肛門狭窄があります。まず、大腸内視鏡検査などで炎症性腸疾患の確定診断をつけたうえで、内服、食事療法を十分に行い、肛門の治療となります。ただし、肛門が腫れ上がり高熱、痛み、膿が出る時は緊急手術を必要とすることもあるので大腸肛門病専門医にご相談下さい。
痔と思い受診したら肛門から直腸が出ていると診断されました。
肛門から痔が脱出する脱肛と見かけ上は似ていますが治療法がことなる病気に直腸脱があります。直腸脱は完全直腸脱と不完全直腸脱に分けられます。完全直腸脱は直腸壁全層が肛門外に反転して脱出する状態です。不完全直腸脱は直腸壁の粘膜やそれより少し深い粘膜下層という部分が肛門から出るもので、直腸脱といえば完全直腸脱を指すのが一般的です。
原因は、骨盤内の筋肉、靭帯などの直腸の支持組織が弱くなって発症しますが確実に説明できる説はいまだ見られません。
放置すると肛門のしまりが悪くなり便失禁の原因となったり、脱出した腸管から粘液や出血で下着が頻繁に汚染したりします。
治療は外科的治療が原則です。開腹手術で行う方法と肛門からの治療があります。