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宮上さん:福昭人副院長としては5年ごとに新しい事にチャレンジされたいという夢があるそうですが、その1つが来年の1月に「高齢者専用賃貸住宅」という形で 実現しそうですね。これはどのようなものですか?
 

副院長:これは、ワンルームマンションのようなもので、病気は治っているのですが、 なんらかの介護が必要で家に帰りたくても帰れないような方の事を思い計画している賃貸住宅です。現在そのような方々は療養型の病床に入院されている方が多いのですが、 国のしめつけがきびしくなり家で”療養するように”という方針に転換せざるをえなくなってきました。そのような方々のために、病院と家の中間の役割のできるような施設を 病院の近くに建て、いつでも診れるようにしたものです。

 

宮上さん:ご家族と住まれている方ならある程度元気になれば家族の支えでやってゆけますが一人暮しの方には大変ですよね。

 

副院長:現在一人暮しの方も増えて高齢者の18%くらいがそうなんですよ。そして、ご家族がお勤めされている方も多いですね。

 

宮上さん:「高齢者専用賃貸住宅」はどのような規模のものですか?

 

副院長:3階建ての建物で、2~3階が高齢者専用賃貸住宅になっています。1階には機能訓練などをする一般にデイサービスと言われるような施設を設置予定です。病気になればすぐ診れるようにと病院の敷地内に建設されます。
今年の5月までは家賃イコール営利目的という理由から医師、医療法人がこのような賃貸住宅を建ててはいけなかったのですが、高齢者の増加に伴い医療側もやらないと間に合わなくなってしまった。と言う事で法律が変わったんですよ。

 

宮上さん:聖域だった医療が徐々にサービス業へと移行していることがよく分かりますね。

 

副院長:それに対象者が高齢化してますからね。
病気が治っていても介護が必要で帰れないという方が病院に長くいることになると色々な問題が発生してくるんですよ。であれば、健常院的なところで診ましょうというのが国のコンセプトなので、それにのっとってケアして行かなければなりません。

 

宮上さん:お部屋は何部屋くらいですか?

 

副院長:21戸用意しています。1部屋が大体一般病院の個室の1.5倍くらいの広さです。
対象者はなんらかの介護が必要な方々が入られるので病院の個室よりゆっくりとくつろいでステイしていただけるような広さになっています。

 

宮上さん:こういう「高齢者専用賃貸住宅」は法律が変わったことにより増えそうな感じですか?

 

副院長:今は全国で6千戸くらいしかないんです。医師ができなかった分野なので一般のマンション経営者さんなどがやっていたのですが、そういったタイプの高齢者賃貸住宅と近隣の医師の連携はなかなか難しかったようです。それで医師が経営した方がスムーズなのでは、という事にもなったようです。

 

宮上さん:このようなご時勢なのでお問い合わせは多いのでは?

 

副院長:ええまあ、敷地内なので患者さんには「何工事してるの?」なんて聞かれます。
当院にはそういう施設がなかったので、別の施設をご紹介する事しかできなかったのです。他の施設をお勧めするよりは最後まで診て差し上げたいし、「診てもらいたい」という患者さんの希望もあったんですよ。

 

宮上さん:「最後を看取って欲しい」と言われるなんてお医者様冥利につきますね。それにご家族も安心していただけますね。 

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